江草隆志のフランス通信!
合宿 avec Avenir cycliste d' Orsay

Fig.5

HBCの皆さん、いかがお過ごしですか?
私が住む、パリ近郊イル・ド・フランス地方はかなり冷え込みます。2週間前はあちこちに雪がつもり、定例の練習会もけっこうひやひやものでした。また、先週は大雪だったようです。ですが私はそれを知りませんでした。クラブのメンバーと2/26-3/5までの合宿に出かけていたからです。


(Fig.1)

行先は、南仏はヴァール県のラ・ロンド・レ・モール市、夏のヴァカンス期間中は多くの余暇を楽しむフランス人たちで満杯になるそうです。地中海に面した町で、パームツリー(Fig.1参照)などがあり、南国的な雰囲気をかもし出していたんですが、それでも最低気温は氷点下、最高気温は10度程度でした。ただ、雪は峠の日陰をのぞいて見ませんでしたし、当然パリよりはあったかく、自転車競技の合宿地としては最適でした。食べ物、トレーニング、観光とすばらしい1週間をすごせました。

その他特徴的なところといえば、パリ近郊と違って広葉樹もけっこう見られて、桜(Fig.2参照)なんかもありましたし、海岸沿いらしく松(Fig.3参照)も多く見られました。もともとの植生は日本の中国地方にけっこう近いものがありそうです。またcote de provence銘柄のワインの産地でもあり、一面のブドウ畑なんかもありました。(もっともこの季節は木の株以外は何もないわけですが...)

Fig.2
Fig.3は合宿先にほど近いヨットハーバーで、港の中に当然ヴァカンスで滞在するための別荘なんかもあるわけです。日本人は休暇中も力いっぱい観光したり、遊んだりということをしてしまいがちですが、彼らはゆったりと時を過ごす本当の余暇というものを知っているようです。もちろんこれらの別荘やヨットを持てるのはフランス人の中でもそれなりに稼ぎのある地位についた人で、しかも引退間近まで働いた人に限られますが、それでも日本よりはよほど一般的なことのようです。これらを持てない若い人たち向けの宿泊施設なども当然充実していて、合宿で宿泊したところもその一つです。日本で言えばグリンピアに近いでしょうが、ラグジュアリーさには欠けるもののもっと実際的に娯楽のために使える施設で、日仏の余暇に対する考え方の違いを感じます。宿泊費は3食付で1週間28,000\です。安さにびっくりでしょう?当然うごきまわればその他の費用もかかるわけですが、それでも日本よりかなり安くつきます。

Fig.3
フランスではいわゆる国民の休日は少ないのですが、(というより日本には休暇を取りづらい社会的な慣習があるため、たくさんの祝日を設定した世界でもまれな国らしいです。たしかに”海の日”とか意味分かりませんね。)労働時間を週35時間と定めており(実際はそれ以上働くのは日本人と同じ。)数字の帳尻を合わせるために有給休暇が設定されます。どんな働き者の(法律の限度に違反して働く)フランス人でもこの休日だけは労働者の当然の権利と考えていて、長期の連続休暇をとるわけです。私もフランスで働く以上はこの法律の影響下におかれます。日本での祝日数に合う程度には休日をとらないと何ですので、この機会に1週間の休みをとって合宿に参加してきました。
私の参加するクラブは決して大きなチームではありませんが、それでも選手だけで30人位います。(会社のある同僚の所属チームではプロ3人を含めて200人規模だそうです!!)今回の合宿には8人が参加しました。Fig.4,5,6に参加者の写真を示します。マイヨはオレンジと青を基調としたデザインです。Fig.4の左からジェラール、オリヴィエ、私、ルネ、フランソワ、ダヴィッド。Fig.5(上部写真)の左から2番目がギョーム。Fig.6の左側がジェラールの奥さんのエリザベット。
ルネはチームの代表のジャック(元プロ選手)の兄で今回のシェフ。ギョームとオリヴィエは大学生ですが、日本の馬鹿でも入れて、出れてしまう大学とは違い、フランスでは教育の現場で本当に厳しい競争にさらされます。名門のオルセイの大学(パリ第11大学)に在籍する彼らは正真正銘のエリートというわけです。彼らは職を得れば最初から幹部候補です。防衛大学卒が仕官として自衛隊に入隊するようなものですね。その上オリヴィエは日本人が想像するとおりのフランス風のイイ男。なんともうらやましい限りです。もし彼が来日することがあれば、日本人女性に引っ張りだこでしょう。一方、ダヴィッドはイタリア-南仏系の男前です。(私には区別がつきませんが...)日本人女性には残念なことに彼は既婚者です。ヴェリジーという町で働く航空機関係のエンジニアだそうです。フランソワはサクレイという町で働く原子力発電用のマニピュレータ(ロボットとも言い換えられます。)の開発をしているそうですが、なかなかひょうきんな男です。いやフランス人けっこう明るい人が多いんですが(笑)。ジェラールはフランスIBMで働くセールスマンです。彼には大きい娘さん2人がいるそうなので50前後でしょうか?奥さんのエリザベットさんもフランス人ですから仕事は持ってらっしゃると思いますが、それは聞きませんでした。

Fig.4
ルネはチームの代表のジャック(元プロ選手)の兄で今回のシェフ。ギョームとオリヴィエは大学生ですが、日本の馬鹿でも入れて、出れてしまう大学とは違い、フランスでは教育の現場で本当に厳しい競争にさらされます。名門のオルセイの大学(パリ第11大学)に在籍する彼らは正真正銘のエリートというわけです。彼らは職を得れば最初から幹部候補です。防衛大学卒が仕官として自衛隊に入隊するようなものですね。その上オリヴィエは日本人が想像するとおりのフランス風のイイ男。なんともうらやましい限りです。もし彼が来日することがあれば、日本人女性に引っ張りだこでしょう。一方、ダヴィッドはイタリア-南仏系の男前です。(私には区別がつきませんが...)日本人女性には残念なことに彼は既婚者です。ヴェリジーという町で働く航空機関係のエンジニアだそうです。フランソワはサクレイという町で働く原子力発電用のマニピュレータ(ロボットとも言い換えられます。)の開発をしているそうですが、なかなかひょうきんな男です。いやフランス人けっこう明るい人が多いんですが(笑)。ジェラールはフランスIBMで働くセールスマンです。彼には大きい娘さん2人がいるそうなので50前後でしょうか?奥さんのエリザベットさんもフランス人ですから仕事は持ってらっしゃると思いますが、それは聞きませんでした。
トレーニングについては、天気が極端に悪くない限り、朝に80-90kmを走って、昼食後また40-60kmを走るというものでした。また一度はピクニック用の弁当を持って出かけて(かなりの難コースを)130km走ることもありました。強い人から見たらなんでもないかもしれませんが、それでも1日に400-600m級の峠や山を3,4回超えます。自転車旅行サークルじゃなくて自転車レースサークルなんで、あんまり遅れるのはなんなんですが、やはり峠ではたびたび待たせてしまいましたね。(それも上り、下り両方で。)またハンガーノックに陥ったときは(向かい風とはいえ)平地で33km/hのスピードにすらついていけませんでした(泣)。でも海岸線を飛ばすのは気持ちがいいし、峠は峠で登りきったときの達成感がたまりません。コースが気になる人はミシュランの地図サイト(http://www.viamichelin.com/)で見てみてください。Notre Dame des Anges教会やMont Faron山、Col de babaou峠、Col du Canadel峠、Col de Garatteloup峠といったところを走り回ってました。(行政区分的にはToulon, Hyeres, la londe les maures(宿泊先), Bormes les mimosas, le lavandouとかいったあたりです。)


fig、6
脚力的に言うとギョーム、オリビエが参加者の中ではトップ。フランソワがつづいて、ちょっと落ちてダヴィッド。でジェラール、私です。登坂でやっとジェラールと互角、下りではぼろ負け、平地でも負けてそうです。ルネも結構年配ですが、私より走れます。とほほ。
総走行距離は630km/6日だったそうです。私は途中で観光もしましたが、それでも500km走りました。ちょっとは登坂に強くなったような気はします。写真Fig.7,8,9を見てください。

ギューピーちゃんが渡仏してトレーニングするためにこの地域に来ても周りの景色を楽しむどころじゃないでしょうから(笑)、観光の写真も数点示します。(Fig.10,11,12)。Fig.12の街角のカフェなんかほんとにおしゃれですが、こういうものがさらっと普通に存在しているのがいかにもフランス風です。

最後にチームカーの写真をFig.13に示します。イタリア車のセダンですが、大きい車でなくてもここまでやれば十分にチームカーとして機能しますよ、店長(笑)。6台の自転車と4台分のスペアホイールが載せられます。

あと、半年足らずで日本に戻ります。またレースなんかあればリポートします。
お元気で、では、いずれまた。
江草 隆志
HBC京都所属
1997年〜
HBC京都の中心的存在で行動派
昨年、転勤で渡仏
フランスでブリヂストンアンカーを乗り回している。
今年帰国予定!

     

fig、7

fig,8